嗅覚障害の検査・診断
嗅覚検査では、被験者の片方の鼻孔の下にせっけん、バニラビーンズ、コーヒー、スパイスのクローブなど、芳香のある物質を近づけ、そのにおいを当ててもらいます。まれに、篩板の近くに腫瘍、膿瘍、骨折などの器質的異常がないかを調べるために、頭部のCT検査やMRI検査が必要になります。
- 前鼻鏡検査
- 後鼻鏡検査
- レントゲン検査
- 静脈性嗅覚検査
- 針状鏡検査
- CT検査、MRI検査
- 基準嗅覚検査
嗅覚神経が生き残っているかどうかは、ニンニク臭のするアリナミン注射液(いわゆる「ニンニク注射」と称して、スポーツ選手などが疲労回復や体力増強のために行っているものと同じビタミンB1製剤です)を静脈注射することで臭いを感じるかどうかの静脈性嗅覚検査で判断できます。
診断
嗅覚障害の診断では鼻内を診察し、鼻腔内の形態異常や副鼻腔炎の有無などを調べます。場合によっては、内視鏡を用いて詳細に観察します。画像検査ではエックス線検査で副鼻腔炎の状態などがわかりますが、詳細な情報はCT検査方が優れています。
中枢真意性嗅覚障害が疑われる場合には、頭部のMRI検査が有用です。嗅覚の検査としては、基準嗅覚検査法と、静脈性嗅覚検査法があります。嗅覚障害の症状と検査で診断がつきます。
アスピリン喘息
喘息に鼻茸と嗅覚障害を伴う副鼻腔炎を合併している方では、アスピリン喘息という病態のことがあり、薬や手術治療に際してだけでなく日常生活上でも思わぬ物質によって喘息発作が誘発されることがあり注意が必要です。
西洋医学治療
嗅覚障害の西洋医学治療は嗅覚障害の原因によります。たとえば副鼻腔の感染症や炎症に対しては、スチーム(蒸気)吸入、スプレー状点鼻薬、抗生物質などで治療し、手術をすることもあります。